北海道勇払郡厚真町フィールドワーク

7/19-7/20

ETIC 主催のローカルベンチャーラボのフィールドワークとして、

北海道勇払郡厚真町に行きました。

北海道南部、胆振総合振興局管内勇払郡にある町で、人口4,569人(2019年7月末)

201896に北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)が発生し、
まさにその影響の中心にあったまちです。

地震発生からもう少しで1年が経過します。

まだまだ、完全な復旧ではありませんが、復興に伴う新たなまちづくりの中で、活躍する起業家・移住者の方々とお話をさせていただく機会をいただきました。

厚真町をハスカップで日本一のまちした

「ハスカップファーム 山口農園」の山口善紀さん。

10年ほど、会社に努めたあと、実家の農家を継ぎました。

「ゆうしげ」と「あつまみらい」という品種を開発・登録し、それをまちの 農家の人に増殖の許可することで、いまでは、町内にある400軒の農家さんのうち、99軒がハスカップを育てています。2013年に、栽培面積日本一に。

すごいハスカップに対する熱い思いの裏には、自分のまちで誇れるものを創り出すという熱意があったのだと感じました。

皮が薄いため、生のハスカップは流通が難しいらしいです。

はじめて生のハスカップを食べましたが、甘く、酸っぱく、いくらでも食べれてしまうほど美味しかったです。

 

厚真町のローカルベンチャースクールに参加し、移住を決意した馬搬林業家の西埜将世さん。恥ずかしながら、いままで、「馬搬」という仕事があることを知りませんでした。

もともと林業会社につとめて、あるキッカケから馬搬という仕事を知り、その仕事をやりたい!と夢が生まれ、夢の実現のために場所を探していたところ、厚真町と出会う。

馬搬という仕事で食べていけるのか?という疑問には、考えすぎないようにしているという言葉がとても印象的であり、だからこそ応援したいという人が集まり、結果的に何かが生まれ始めていくのだと感じました。

また、町役場の宮久史さんには、厚真町の北部にある山間部を中心に被災した現場を案内していただきました。

山の土砂崩れは、約9000年前のゆるい地層が滑り落ちたそうです。すごい量の土砂が崩れ落ちた跡が生々しく残っており、今なおその土砂や木の搬出が行われています。

もともと近くにある川の氾濫もあり、山側の斜面下に家が多く、今回の震災では土砂崩れによる被害が多かったそうです。

人智を超える自然の災害を目の辺りにすると、自然は与えてくれるものがあると同時に、その中で生かされているのだと改めて気づきます。

普段東京で暮らしていて、テレビやインターネットを通じて、文字通り「向こうの世界」で起こった事実に、その当時感じ得なかった感情を約1年後越しに肌で感じたました。

だた、

ボクたちに何ができたのか?を考えるのではなく、

ホクたちに何ができるか?を考えていくべきです。

宮さんの、復旧のステージから、復興のステージへ切り替えていき、未来のまちを創ることを大切にしているという言葉は、とても重みと強さを持っていました。

本来、震災に限らず、他人事と自分事が様々なカタチで繋がりを持ち、認め合い、助け合う社会は作れるのだと思います。

 

最後に、厚真町のみなさんとバーベキューをした際、漁師の澤口研太郎さんが、厚真でとれたホッキ貝をごちそうしてくれました。

ちょっと火で炙って、半生で食べるホッキ貝。いままで食べたホッキ貝で一番美味しかったです。

ボクたちが創る新たな価値が、厚真町の新たなまちの一部になれるよう、まずはボクたちが頑張る必要があると改じ帰路につきました。